そして私はニートになった… その13 無気力を脱する

またしても、仕事を離れた私は無気力状態でした。真面目に働いても馬鹿を見るだけ、重宝されていたのは相手にとって都合が良かっただけ、悪く言えば利用されていただけ…そんな思いが募り、人と話すのも苦痛でした。以前は好きでやっていた仕事も、結局の所ブラック企業だった為、辞めた後、急激に身体にもガタがきていました。



心も身体も辛かったのですが、働かなければいけない事実は消えませんでした。取り急ぎ何でもいいからと、季節雇用でしたが、自然の中で動物と関わる仕事につきます。公務員の補助でしたが、そこで自然の動物や牛達、環境に救われることになります。


今まで、ブラック企業で無理をしていた私にとってそこは天国でした。期間雇用とはいえ公務員の補助、その為、雇用条件等は格段によくなり、休みもしっかりあり、勤務時間も決まっている。当たり前の事のハズなのに、待遇が良くて、本当にこれでいいのか不安になるくらいでした。その環境は落ち込んでいた私を立ち直らせるには十分過ぎる環境だったのです。


そして私は、私にしか出来ない事があった事を思い出します。それをやるには様々な問題がありましたが、環境の良さにより回復した私にはそれを解決する体力は十分に出来ていました。


しかし、好待遇である職場を離れなければそれは出来ない事もあり迷っていた頃、またしても職場にてトラブルが発生するのです。

そのトラブルは金銭の盗難、ある日公務員の先輩から相談を受けます。私はその方とコンビで仕事する事が多かったので話してくれたのですが、私と一緒に仕事を終えて事務所に戻ると、財布の中身が消えていたそうです。犯人は解りません、ただ盗んだのは行動を共にしていた私以外の誰かなのは間違いない様子でした。実は私が入社する前から何度もあった事をその時知りました。


犯人は解らず仕舞いでしたが、私はその職場でも不信感を抱き、金銭は事務所に置かない等自衛をしていました。そんなある日、別の公務員の先輩からお金を貸して欲しいと頼まれます、正直嫌でした。しかし、私は以前にも金銭の貸しでトラブルにあっている旨を伝えた上で、借用書を書き、さらに期日までに返さないならば本部のその方の上司に掛け合う事を取り決めた上で、お金を貸す事に決めます。この方は周りからお金を借りている事は知っていました、そして返していない事も。盗難の犯人はこの人だろうという噂もありましたので、信用はしていませんでした。


お金は分割にはなりましたが、返ってきています。相手は公務員、証拠を残した上で、不義理を働けば、後々自分の待遇に関わる事は解っていたのでしょう。


私はこの事をきっかけに、来期の雇用を断りました、自分やりたい事をやる覚悟を決めたのです。



※公務員による金銭トラブル、私はこの時に良くも悪くも本部に報告すべきでした。何故ならば現在我が町では公務員の横領が複数件発覚し数千万損害をだしたからです、逮捕者もでました。幸いにも私がお金を貸した方は犯人ではありませんでしたが…
けれど犯人が面識のある方だったのは間違いありませんでした。

我が町では公務員の自殺を耳にする事が度々ありました、若くして亡くなる方もいました、もしかしたら不正を知り自責の念に耐えられなくなった、若しくはそれに関して嫌がらせを受けていたのか…死因がはっきりしてる方は良いのですが、親御さんすら自殺の原因が解らない方は…

もし、あの時に私がトラブルや金銭のやりとりをしっかりと本部にあげていれば、何か少しでも変わったのかなと後悔しています。