そして私はニートになった… その6 仕事に甘んじて未来を描かなかった

高校を中退した私は、辞めた事を伝えずにアルバイトを続けていました。必要とされて、お金も貰える。自分にとって居心地の良い環境でした、ただし学校を辞めた事により友人は減り、当時はまだ携帯電話も持っていなく、私に連絡をくれる方は誰もいませんでした。

寂しさを紛らわす様に黙々と働き続けていましたが、ある日突然嘘がばれます。当時お世話になっていた課長さんの奥様が私の通っていた高校に清掃のお仕事で来ていたそうでした。私は嘘をついて働いていましたが、実は最初からバレていたそうです。私が正直に話すのを待ってくれていたのでした。正直、クビになっても仕方なかったのですが、普段の働きぶりと会社の人材不足もあり、16歳でしたがパートタイマーとして雇用して頂ける事になりました。


嘘が許され、雇用条件も良くなり私は喜びました。ただ、両親は通信高校や定時制の高校を勧めてくれていたのを覚えています、私の将来を心配してくれての事ですが、私はその場の喜びに満たされ、両親の心配を話半分にしか聞いていなかったのです。将来どうありたいかなど、考えてもいなかったのです。

その後紆余曲折はありましたが18歳を過ぎた頃には私はその会社に正式採用され、保険やボーナスなど待遇も良くなり、より一層仕事に励む事となります。しかし、またしても問題が起こるのです。



※正式採用が決まった時には、両親も喜び、その後は通信高校等の話はしなくなりました。兄は大学生となり離れた都市へ、弟も高校入学となります。その当時の私はなんとなくですが、家にはお金の余裕は無いものと思っておりました。ですから、兄や弟が学生として当たり前に受け取っていたお金は一切受け取りませんでした。幸か不幸か友達もいない、趣味もないのでお金を使う事自体あまりなかったのです。